(5) モジュール多重化の動作
1. Roomを利用して同一モジュールの再利用を実現
このセクションでは、Altium Designer で一般的に使用される 2 つのモジュール再利用方法を紹介します。1 つは Room を使用して同じモジュールの再利用を実現する方法、もう 1 つはコピー アンド ペースト機能を使用して実現する方法です。
1. Room を使用して同一モジュールの再利用を実現する Room を使用してモジュールの再利用を実現するには、以下の条件を満たす必要があります。
(1) PCB 内の同じモジュールの対応するデバイスのチャネル値 (チャネル オフセット) は同じでなければなりません。
(2) デバイスをロックできない場合、部屋多重化を行うことができません。
Roomを使ってモジュールを再利用する方法を詳しく紹介します。
(1) 再利用する必要がある回路図を開きます。PCB 内に同じレイアウトと配線を持つモジュールが 2 つ以上あります。モジュールの多重化により、各モジュールのレイアウトと配線が完全に同じであることが保証されます。
(2) 図に示すように、回路図を PCB に更新し、モジュールの 1 つのレイアウトを完成させます。
(3) コンポーネントをダブルクリックして、コンポーネントのチャネル値 (チャネル オフセット) が、対応するモジュールのコンポーネントのチャネル値と一致しているかどうかを確認し、一致していない場合は、同じチャネル値に変更する必要があります。そうしないと、モジュールの再利用を完了できません。ただし、多数のコンポーネントを含むモジュールの場合、PCB からチャネル値を手動で変更するのは時間がかかります。このとき、PCB リストのスクリーニング機能を使用して、チャネル値を迅速に変更できます。具体的な手順は次のとおりです。
① 相互選択モードで、回路図からモジュールの 1 つを選択し、PCB 編集インターフェイスで PCBList パネルを開き、フィルター条件を [選択したオブジェクトの編集にはコンポーネントのみが含まれる] に設定し、表示コンポーネントのみを選択して、チャネルを検索します。図に示すように、図中の Channel Offset 列がこれらのコンポーネントのチャネル値であるので、それをコピーします。
② 回路図から別のモジュールを選択し、PCB 編集インターフェイスで [PCB リスト] パネルを開きます。また、最初にフィルター条件を [選択したオブジェクトにコンポーネントのみを含むを編集] に設定し、表示コンポーネントのみを選択して、チャネルをコピーする必要があります。図に示すように、上でコピーしたチャネル オフセット列の値をチャネル値に貼り付けます。
特別な注意が必要です。同じモジュールのチャネル値を変更する場合は、相互選択モードを開き、回路図からモジュールを選択し、PCB でチャネル値を正しく変更できることを確認する必要があります。
(4) チャンネル値を変更した後、Room を使用してモジュールの再利用を実現できます。まずモジュールを選択し、メニューバーの「デザイン」→「ルーム」→「選択したデバイスから長方形のルームを作成」コマンドを実行するか、ショートカットキーD+M+Tを押してルームを生成します。他のモジュールも同様の操作方法で、図のようにデバイスが配置されたRoomを取得できます。
(5) Roomフォーマットをコピーします。図のように、メニューバーの「デザイン」→「ルーム」→「ルームフォーマットのコピー」コマンドを実行するか、ショートカットキーD+M+Cを押します。
(6) このときカーソルが十字になりますので、図のように最初にRoom1をクリックし、次にRoom2をクリックします。
(7) 「チャンネルフォーマットコピーの確認」ダイアログボックスが表示されるので、図のように設定します。
(8) パラメータを設定したら、図のように「OK」ボタンをクリックするとモジュールの再利用が完了します。
2. モジュールの再利用を実現するコピー&ペースト機能
上記回路図を用いて、コピー&ペースト機能を利用してモジュール多重化を実現する方法を紹介します。
(1) 配置されたモジュールをコピーして貼り付けると、図のように貼り付けたモジュールの部品番号に添字「_」が表示されます。
(2) 以下のレイアウトのないコンポーネントを選択し、ショートカット キー M+S を押して選択したオブジェクトを移動し、図のようにコンポーネントを貼り付けたモジュール上に同時に配置します。
(3) 図のように、タグ番号に「_」が付いたコンポーネントを削除すると、モジュールの再利用が完了します。