SAP ABAP AMDP とは何ですか?

SAP AMDP (ABAP Managed Database Procedure) は、SAP HANA データベース上で高パフォーマンスのデータベース操作を実行するために使用される SAP の高度なテクノロジです。これにより、ABAP 開発者はデータベース レベルで実行できるデータベース プロシージャを作成できるため、データ処理が高速化され、パフォーマンスが向上します。この記事では、SAP AMDP とは何か、その仕組みと ABAP での使用方法について詳しく説明し、その使用法を示すいくつかの例を示します。

1. SAP AMDP の概要

1.1 SAP HANA データベース

SAP HANA は、SAP が開発したインメモリ データベース管理システムであり、優れたパフォーマンスと大規模なデータの処理能力を備えています。SAP HANA のパフォーマンスを最大限に活用するために、SAP は、データベース操作をデータベース サーバーにプッシュして実行する AMDP テクノロジーを導入し、これによりデータの送信と処理時間を短縮しました。

1.2 ABAP 管理データベース プロシージャ (AMDP)

AMDP は、ABAP プログラムでデータベース プロシージャを定義および実行する方法です。これにより、開発者は ABAP でデータベース固有のコードを作成し、それをデータベース プロシージャに関連付けることができます。これらのデータベース プロシージャは、ABAP アプリケーション サーバーにデータを転送せずに、SAP HANA データベース上で実行できます。このアプローチにより、特に大量のデータを扱う操作のパフォーマンスが大幅に向上します。

AMDP は、ABAP コードと SQLScript 言語を混合して、高度に最適化されたデータベース操作を実現できるオブジェクト指向プログラミング モデルです。AMDP クラスには通常、次の要素が含まれます。

  • AMDP メソッド: データベースで実行される SQLScript コードを定義します。
  • 入力パラメータ: SQLScript コードに渡される入力データ。
  • 出力パラメータ: SQLScript コードから返された結果データ。

2. SAP AMDP の仕組み

AMDP の動作には次の手順が含まれます。

2.1 AMDP クラスの作成

まず、開発者は ABAP クラスを作成し、クラス内で AMDP メソッドを定義する必要があります。これらのメソッドには、データベース上で実行される SQLScript コードが含まれています。メソッド内では、SQLScript 言語を使用してデータベース固有のロジックを記述することができます。

CLASS z_amdp_demo DEFINITION.
  PUBLIC SECTION.
    METHODS: demo_amdp_method IMPORTING iv_input_param TYPE string
            RETURNING VALUE(rv_output_param) TYPE string.
ENDCLASS.

2.2 入力パラメータと出力パラメータを定義する

AMDP メソッドは通常、入力パラメーターと出力パラメーターを必要とします。入力パラメータは SQLScript コードにデータを渡すために使用され、出力パラメータは SQLScript コードから結果データを受け取るために使用されます。

CLASS z_amdp_demo IMPLEMENTATION.
  METHOD demo_amdp_method BY DATABASE PROCEDURE FOR HDB LANGUAGE SQLSCRIPT OPTIONS READ-ONLY.
    -- SQLScript code here
  ENDMETHOD.
ENDCLASS.

2.3 AMDP メソッドの呼び出し

ABAP アプリケーションでは、開発者は AMDP クラスのインスタンスを作成し、AMDP メソッドを呼び出すことでデータベース操作を実行できます。入力パラメータは AMDP メソッドに渡され、結果は出力パラメータを介して返されます。

DATA(lo_amdp_demo) = NEW z_amdp_demo( ).
DATA lv_input_param TYPE string.
DATA lv_output_param TYPE string.

lv_input_param = 'Input Data'.
lo_amdp_demo->demo_amdp_method(
  EXPORTING iv_input_param = lv_input_param
  IMPORTING ev_output_param = lv_output_param ).

2.4 データベースの最適化

AMDP メソッドの SQLScript コードはデータベース サーバー上で実行されるため、SAP HANA はそのメモリと並列処理機能を利用して高パフォーマンスのデータ操作を実行できます。この方法は、大量のデータや複雑な計算に特に役立ちます。

3. SAP AMDP の例

以下は、SAP AMDP を使用してデータベース操作を実行する方法の簡単な例です。SAP HANA データベースに受注データを保存するテーブルがあり、各顧客の総売上高を計算したいとします。

3.1 AMDP クラスの作成

まず、AMDP クラスを作成し、データベース操作を実行するメソッドをそのクラス内に定義します。

CLASS z_sales_analysis DEFINITION.
  PUBLIC SECTION.
    TYPES: BEGIN OF ty_sales_data,
             customer_id TYPE string,
             sales_amount TYPE decimal(15, 2),
           END OF ty_sales_data.

    TYPES: tt_sales_data TYPE TABLE OF ty_sales_data.

    METHODS: calculate_total_sales FOR DATABASE PROCEDURE
             OPTIONS READ-ONLY
             USING z_sales_data_tt
             EXPORTING result_set = z_result_set_tt.
ENDCLASS.

3.2 入力パラメータと出力パラメータを定義する

z_sales_data_tt販売注文データを渡す入力パラメータと、z_result_set_tt計算結果を受け取る出力パラメータを定義します。

CLASS z_sales_analysis IMPLEMENTATION.
  METHOD calculate_total_sales BY DATABASE PROCEDURE FOR HDB LANGUAGE SQLSCRIPT OPTIONS READ-ONLY.
    z_result_set_tt = SELECT customer_id, SUM(sales_amount) AS total_sales
                      FROM :z_sales_data_tt
                      GROUP BY customer_id;
  ENDMETHOD.
ENDCLASS.

3.3 AMDP メソッドの呼び出し

これで、ABAP アプリケーションで AMDP メソッドを呼び出して、総売上高を計算する操作を実行できるようになりました。

DATA(lo_sales_analysis) = NEW z_sales_analysis( ).
DATA lt_sales_data TYPE z_sales_data_tt.
DATA lt_result_set TYPE z_result_set_tt.

-- Populate lt_sales_data with sales order data

lo_sales_analysis->calculate_total_sales(
  USING lt_sales_data
  EXPORTING result_set = lt_result_set ).

この例では、AMDP メソッドを通じて販売注文データをデータベース サーバーに渡し、SQLScript コードを使用して各顧客の合計売上高を計算し、結果を に保存しましたlt_result_set

4. SAP AMDP の利点と用途

SAP AMDP には次の利点と用途があります。

4.1 高性能

AMDP を使用すると、SAP HANA データベースのパフォーマンスと最適化機能を活用してデータベース レベルで操作を実行できるため、従来の ABAP 操作よりも高いパフォーマンスが得られます。

4.2 データベースの最適化

開発者は AMDP を使用して、最適化された SQLScript コードを作成できます。

データの集約、フィルタリング、結合などの複雑なデータベース操作を実装するため。

4.3 ビッグデータ処理

AMDP は、大規模なデータ分析、レポート生成、データ移行など、大量のデータの処理が必要なシナリオに適しています。

4.4 データセキュリティ

AMDP を使用すると、データベース レベルで操作を実行できるため、データのセキュリティと整合性が維持され、データ送信のリスクが軽減されます。

5. まとめ

SAP AMDP は、SAP HANA データベース上で高パフォーマンスのデータベース操作を実行するための強力なテクノロジーです。これにより、ABAP 開発者はデータベース固有のコードを作成し、データベース サーバー上で実行できるため、データ処理の速度と効率が向上します。AMDP クラスを作成し、入出力パラメーターを定義し、AMDP メソッドを呼び出すことにより、開発者は AMDP を使用して、特に大量のデータを使用するシナリオで複雑なデータベース操作を最適化できます。AMDP を使用すると、SAP アプリケーションのパフォーマンスとデータ処理機能が向上し、企業のニーズにより適したものになります。

おすすめ

転載: blog.csdn.net/i042416/article/details/132778476